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第35巻 第8号 2002年8月 [目次] [全文 ( PDF 120KB)]
原著

門脈ガス血症の手術適応―本症12例の経験から―

金丸 仁, 横山 日出太郎, 白川 元昭, 橋本 治光, 吉野 吾朗, 高津 光, 杉山 高, 秋山 敏一

藤枝市立総合病院外科, 同 超音波科

 はじめに:門脈ガス血症(以下,本症と略記)は予後不良で緊急開腹術が必要と考えられてきたが,最近自然軽快する例の報告も多く,手術適応の判断が難しい.われわれの12例の経験と文献報告例から本症の手術適応につき考察した.方法:腸管壊死があり開腹術の適応であった5例(A群)と,腸管壊死が無く経過観察可能であった7例(B群)を比較した.結果:A群は全身状態不良で,5例全例に腹膜刺激徴候を認めた.B群では全身状態は良好で,2例を除き腹膜刺激徴候を認めなかった.A群では全例熱発を認めたがB群では4例で熱発を認めなかった.白血球数はA群5例,B群5例で10,000/mm3以上であった.CRPは,不明例以外で,A群では4.3mg/dlと7.0mg/dlの2例のほか2例が20mg/dl以上であったがB群では全例20mg/dl以下でうち5例は1.1mg/dl以下であった.考察:本症の成因には,腸管壊死からの感染として,E. coliなどのガス産生菌が関与する場合と,非絞扼性腸閉塞の場合など,単に腸管内圧の上昇によって発生する場合があるが,後者の成因の場合は経過観察が可能と考えられる.手術適応は腸管壊死の有無にかかっているが,その判断は,全身状態,腹部所見,熱発の有無など,理学所見の正確な把握が重要で,一般の急性腹症の場合となんら変わるところはない.検査値としては白血球数よりもCRPが手術適応の参考になる.

索引用語
portal hepatic venous gas, surgical indication, gas producing bacteria, CRP

日消外会誌 35: 1369-1376, 2002

別刷請求先
金丸 仁 〒426-8677 藤枝市駿河台4-1-11 藤枝市立総合病院

受理年月日
2002年5月1日

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