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第35巻 第8号 2002年8月 [目次] [全文 ( PDF 64KB)]
症例報告

腹部鈍的外傷による遅発性小腸狭窄の1例

東 久登, 山本 登司, 田中 潤一郎, 大木 亜津子, 坂 佳奈子, 山形 誠一, 増田 幸蔵, 志田 晴彦, 今成 朋洋, 町田 武久

東京厚生年金病院外科

 腹部鈍的外傷後に発症した腸管狭窄の1例を経験した.症例は26歳の男性,下腹部を車両の間に挟まれたが,腹痛はすぐに軽快した.受傷後13日目に腸閉塞による腹痛が出現し,保存的治療で軽快せず受傷後21日目に手術を施行した.術中所見では回腸末端の20cm口側から10cmにわたり回腸が変色・狭窄しており腸間膜の脂肪は白色腫瘤を形成していた.狭窄部回腸を切除し端々吻合した.組織学的には回腸動脈の血栓性閉塞と回腸の全周性区域性潰瘍および広汎な腸間膜の脂肪壊死,脂肪織炎が見られ,腸間膜損傷による虚血性瘢痕狭窄が原因と考えられた.診断には腹部CTが有用であった.腹部鈍的外傷後の遅発性腸管狭窄についての本邦報告例は自験例を含め38例とまれである.腹部鈍的外傷後は遅発性腸閉塞の発症を念頭に置き対処する必要がある.腸閉塞が見られた場合は虚血性・瘢痕性の非可逆性な狭窄であることが多く速やかに手術を施行すべきである.

索引用語
blunt abdominal trauma, delayed ischemic small bowel stenosis, bowel obstruction

日消外会誌 35: 1423-1427, 2002

別刷請求先
東 久登 〒162-8543 東京都新宿区津久戸町5-1 東京厚生年金病院外科

受理年月日
2002年5月1日

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