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第35巻 第9号 2002年9月 [目次] [全文 ( PDF 71KB)]
原著

胃癌におけるリンパ節転移以外の壁外非連続性癌浸潤巣の臨床的意義

伊藤 英人, 長谷 和生, 菅沼 利行, 冨松 聡一, 脇山 博之, 堀井 均, 林 剛, 内田 寛, 岡田 和滋, 山田 省一

自衛隊中央病院外科

 緒言:胃癌手術でリンパ節として病理に提出された標本で,組織学的に転移が見られ,かつリンパ節としての構造が全く見られない場合,これをリンパ節として扱うべきか否かについては統一した見解がないのが現状である.しかし,直腸癌では,これらリンパ節転移以外の壁外非連続性癌浸潤巣(EX)の予後因子としての意義がすでに報告されている.今回,我々は胃癌症例においてこのEXの臨床病理学的意義を明らかにすることを目的として検討した.方法:1988~1997年に切除され,術後2年以上追跡された根治度A,B胃癌初回手術275例を対象としてリンパ節転移以外のEXの臨床的意義について検討した.結果:275例中EX陽性例は78例(28%)で,2~15mmで平均3.4mmであり,腫瘍径4cm以上,組織型por,sig,壁深達度ss以上,リンパ節転移(n)陽性,ly2,3の症例がEX陰性例に比べ有意に高率に認められた(p<0.05~0.001).5年生存率ではEX陽性例は陰性例に比べ有意に低率であった(33%,91%;p<0.001).肉眼型,腫瘍の局在,周在,腫瘍径,組織型,深達度,ly,v,n,EXの10因子について,再発に関するCoxの比例ハザードモデルを用いた多変量解析をすると,EXが最も独立した予後因子であった.考察:EXは腫瘍の悪性度を表し,予後規定因子としての意義が示された.EX陽性例はリンパ節転移を認めない場合でもリンパ節転移陽性例と同等以上の進行度にすべきと考えられた.

索引用語
extramural and extranodal cancer permeation, gastric cancer, lymph node metastasis, prognostic factor

日消外会誌 35: 1475-1481, 2002

別刷請求先
伊藤 英人 〒333-0844 川口市上青木1-19-6-207

受理年月日
2002年5月29日

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