症例報告
食道,胃,大腸の同時性表在型3重複癌の1手術例
和田 靖, 青木 豪, 吉松 軍平, 藪内 伸一, 原田 伸彦, 富永 剛
帯広第一病院外科
食道,胃,大腸に発生した同時性3重複癌の1手術例を経験したので報告する.症例は69歳の男性.便潜血陽性にて近医を受診.大腸内視鏡検査にて横行結腸にIpポリープを指摘された.ポリペクトミー後,腺癌と診断され,根治術目的に当院を紹介された.術前上部消化管内視鏡検査の結果,胸部食道癌と胃角部小彎に広がる胃癌が発見された.右開胸開腹胸腹部食道全摘術,胃全摘術および横行結腸部分切除術を1期的に施行した.再建は後縦隔経路にて食道空腸吻合を行った.病理組織診断は,食道は深達度smの扁平上皮癌,胃・大腸は深達度smの腺癌であった.消化管の同時性表在型3重複癌報告例は稀であることから,文献的考察を加えて報告する.
索引用語
triple cancer, synchronous cancer, esophageal cancer
日消外会誌 35: 1487-1491, 2002
別刷請求先
和田 靖 〒080-0014 帯広市西4条南15-17-3 帯広第一病院
受理年月日
2002年5月29日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|