症例報告
胃癌術後に右腸腰筋転移を来たし1年10か月生存中の1例
河合 清貴, 玉内 登志雄, 竹内 英司, 岡本 哲也
袋井市立袋井市民病院外科
症例は70歳の男性.1988年10月,前庭部のIIa病変とIIc病変,体中部のBorrmann3型病変からなる3多発胃癌に対して,胃全摘術(D2),脾合併切除を施行.病理組織学的にはIIa病変が高分化型管状腺癌で,SM,ly2,v1,IIc病変が中分化型管状腺癌で,SM,ly1,v0,Borrmann3型病変が低分化腺癌で深達度はSS,ly2,v1でT2N2H0P0 Stage IIIAであった.1999年11月より右足の突っ張り感が出現し,造影CT検査で小転子付着部付近の右腸腰筋層内にリング状に濃染する腫瘍を認めた.2000年2月生検で低分化腺癌を認めたため,胃癌の右腸腰筋転移と診断し,化学療法と放射線療法を施行した.その後,2000年9月左半膜様筋転移,2001年5月左長内転筋転移,同年8月右上腕三頭筋転移,腹部大動脈周囲リンパ節転移,多発性肺転移を来たしたが,化学療法および放射線療法を施行し,2001年12月現在外来通院し治療中である.
索引用語
gastric cancer, metastasis, skeletal muscle
日消外会誌 35: 1492-1496, 2002
別刷請求先
河合 清貴 〒437-0061 袋井市久能2515-1 袋井市立袋井市民病院外科
受理年月日
2002年5月29日
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