症例報告
Communicating accessory bile duct(副交通胆管枝)の2例
西村 一宣, 松尾 英生, 玉榮 剛, 福田 秀一, 木下 壽文, 青柳 成明
久留米大学外科
副交通胆管枝の2例を経験したので報告する.症例1は52歳の男性で右肝内結石と胆嚢・総胆管結石にて当院入院となった.胆管像は総胆管から後下亜区域枝が早期分岐し,肝側でさらに前区域枝と交通していた.胆嚢管は後下亜区域枝根部付近に合流していた.後下亜区域枝と前区域枝との交通部の生検では,付属腺を伴う過形成の粘膜上皮が存在した.症例2は72歳の男性で胆嚢結石,総胆管結石の診断にて経皮経肝胆道ドレナージ術を施行した.胆道造影では総胆管から分岐する副肝管を認め,これに胆嚢管が合流していた.副肝管は肝門でさらに右肝管と交通していた.副交通胆管枝は,他の胆道形態異常としばしば混同されており,先天異常である本症の問題点および形態分類について考察した.
索引用語
communicating accessory bile duct, anomalous of biliary tract, duplication of biliary tract
日消外会誌 35: 1659-1663, 2002
別刷請求先
西村 一宣 〒830-0011 久留米市旭町67 久留米大学医学部外科
受理年月日
2002年6月25日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|