症例報告
リウマチに続発するアミロイドーシスによる小腸穿孔の1救命例
位田 歳晴, 吉田 正史, 飯塚 恒, 芹沢 隆宏, 村上 恭紀
甲府共立病院外科
アミロイドーシスによる消化管穿孔はまれであり,予後は極めて悪い.続発性アミロイドーシスによる小腸穿孔症例を手術によって救命しえたので報告する.
患者は79歳の女性.40歳からの慢性関節リウマチ(以下,RAと略記)の治療中,穿孔性腹膜炎のため緊急手術を施行した.回腸末端より口側約1mの回腸に直径3mmの穿孔を認め,この部を含む硬く,腫大した約80cmの小腸を切除した.切除小腸粘膜面には大小不同の潰瘍が多発していた.病理組織学的には粘膜下層の血管壁にアミロイドの沈着を認めた.このアミロイドは免疫染色でamyloid A蛋白と同定され,RAによる続発性アミロイドーシスと考えられた.術後約3か月で経静脈栄養から完全に離脱でき,この1年間とくに腹部症状は認めていない.
索引用語
small intestinal perforation, secondary amyloidosis, rheumatoid arthritis
日消外会誌 35: 1698-1702, 2002
別刷請求先
位田 歳晴 〒400-0031 甲府市宝1-9-1 甲府共立病院外科
受理年月日
2002年7月24日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|