症例報告
サルコイドーシスに合併したVirchow転移を伴う横行結腸癌の1切除例
山田 英貴, 金井 道夫, 濱口 桂, 小川 弘俊, 中村 從之, 大場 泰洋, 鷲津 潤爾, 山田 達治, 朴 哲浩, 矢野 孝
春日井市民病院外科
症例は15年前よりサルコイドーシスと診断されている60歳の女性.左頸部腫瘤を自覚し,当科受診.左頸部腫瘤の穿刺吸引細胞診で中分化腺癌を認めた.精査の結果,Virchowリンパ節転移,腹部大動脈周囲リンパ節(No. 216)転移を伴う進行横行結腸癌と診断し,左頸部リンパ節郭清と4群リンパ節郭清を伴う結腸右半切除術を施行した.縦隔リンパ節はサルコイドーシスによる腫大と考えられたため経過観察とした.切除標本では中結腸リンパ節(No. 222),腹部大動脈周囲リンパ節(No. 216a2,216b1)にサルコイド結節と低分化腺癌の混在するリンパ節を認めた.術後カルモフール(HCFU)300mg/day経口投与を行い,3年11か月後の現在,無症状,無再発である.
以上,興味深いリンパ節組織所見を有するサルコイドーシスに合併した結腸癌の1例を経験し,積極的な外科的切除と化学療法により,良好な経過を得たので報告する.
索引用語
sarcoidosis, Virchow's metastasis, advanced colorectal cancer
日消外会誌 35: 1713-1716, 2002
別刷請求先
山田 英貴 〒486-8510 春日井市鷹来町1-1-1 春日井市民病院外科
受理年月日
2002年7月24日
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