症例報告
S状結腸間膜窩ヘルニアの2症例
丸山 浩高, 鈴木 夏生, 佐々木 正志, 関谷 正徳, 三尾 寿樹
中津川市民病院外科
S状結腸間膜窩ヘルニアの2症例を経験したので報告する.症例1は71歳の男性.腹痛を主訴に当科受診.55歳の時に胃癌にて幽門側胃切除術の既往歴があった.下腹部に軽度の膨満と圧痛を認めた.同日,腹部膨満は増強し腹痛も高度となったため,絞扼性イレウスと診断し緊急手術を行った.開腹所見では,S状結腸間膜窩に嵌頓絞扼された回腸を認め,同部の嵌頓を解除し血流が良好であることを確認の上,ヘルニア門の縫合閉鎖を行った.症例2は78歳の男性.腹痛を主訴に来院.下腹部に軽度の膨満と圧痛を認めた.腹部X腺写真にて鏡面像を認め,入院となった.イレウス管を挿入し,保存的に治療しつつ精査を行った.イレウス管造影にて小腸に輪状狭窄を認めた.小腸腫瘍あるいは小腸結核等を主に疑い開腹手術を行った.開腹するとS状結腸間膜窩に回腸が嵌頓しているのが確認された.嵌頓解除後,ヘルニア門を縫合閉鎖した.
索引用語
intersigmoid hernia, internal hernia, sigmoid mesocolon
日消外会誌 35: 1721-1725, 2002
別刷請求先
丸山 浩高 〒508-8502 中津川市駒場1522-1 中津川市民病院
受理年月日
2002年7月24日
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