有限責任中間法人日本消化器外科学会ホームページへリンク 日本消化器外科学会雑誌 Online Journal
メインナビゲーションを飛ばす
ホームへリンク
最新号へリンク
既刊号へリンク
論文検索へリンク
投稿規定へリンク
編集委員会からへリンク
公式英文誌へリンク
購読のご案内へリンク
閲覧上のご注意へリンク
書誌情報 Japanese Englishページへリンク
第36巻 第2号 2003年2月 [目次] [全文 ( PDF 79KB)]
原著

粘度調整ゲル化剤を用いた経腸栄養剤投与法の胃食道逆流に対する予防効果と臨床使用経験

田部井 功, 久保 宏隆, 矢野 文章, 稲田 晴生

東京慈恵会医科大学外科, 中伊豆リハビリテーションセンター

 経腸栄養管理中における胃食道逆流による誤嚥性肺炎予防のために栄養剤の粘度に着目した.経腸栄養剤に含まれる遊離Ca2+とペクチンが結合し粘調度が高まる性質を利用,胃食道逆流障害に起因する誤嚥性肺炎の予防に寄与できると考えた.対象と方法:1)LMペクチンを主成分とするREF-P1(90g)と遊離型カルシウムを60mg/ml含有する市販経腸栄養剤K-3S(400ml)を混合したときの粘度の変化を調べた.2)4人の健常人ボランテアーに対し急速に経腸栄養剤を投与し,REF-P1投与の有無で胃食道pHモニタリングを行い,胃食道逆流障害を観察した.3)全国9施設における16例の嚥下障害患者における使用アンケート調査を紹介する.結果:1)経管栄養剤K-3Sの粘度は8cpであり,REF-P1を加えたとき粘度は900cpまで上昇し安定した.2)K-3Sのみの胃食道逆流率が3時間の検査中2.1%だったのに対し,REF-P1を使用した場合はわずか0.3%だった.3)毎食逆流の見られた患者はいなくなり,嘔吐,下痢,熱発などの副作用を訴える患者数も減少した.まとめ:胃食道逆流による誤飲性肺炎の予防のためペクチン液を開発,投与することにより胃内で経腸栄養剤をゲル化し,粘度を調整,逆流を防止することができた.さらに投与時間の短縮が計れ治療計画上,有用な経腸栄養剤投与法と思われる.

索引用語
pectin, enteral nutrition, aspiration pneumonia, gastro-esophageal pH-monitoring, viscosity

日消外会誌 36: 71-77, 2003

別刷請求先
田部井 功 〒105-0005 港区西新橋3-25-8 東京慈恵会医科大学外科

受理年月日
2002年11月27日

ダウンロードサイトへリンク PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です
このページのトップへ戻る
メインナビゲーションへ戻る
Copyright © 日本消化器外科学会