症例報告
胆嚢癌肉腫の1例
小林 広典*, 杉原 重哲, 金子 隆幸, 原田 洋明, 生田 義明, 江上 哲弘, 瀬戸口 美保子**
熊本大学医学部第1外科*, 社会保険下関厚生病院外科, 同 病理部**
症例は56歳の女性.主訴は右季肋部痛で胆石症の診断にて手術目的紹介となった.腹部超音波・CT検査にて胆嚢壁は不規則に肥厚し,体部にhigh densityな部を認め,胆嚢癌を否定できず,開腹胆摘術を施行した.胆摘後,胆嚢を検するに胆嚢底部から頸部まで乳頭状に増殖した充実性の腫瘤が胆嚢内腔を占め,術中迅速病理では肉腫との返事でリンパ節郭清を伴う胆管切除および肝床部切除術を追加した.病理組織学的には腺癌と紡錘形細胞肉腫からなり,内部に類骨形成を認める胆嚢癌肉腫と診断した.術後4年経過した現在再発の兆候を認めていない.
索引用語
carcinosarcoma of the gallbladder
別刷請求先
小林 広典 〒860-0811 熊本市本荘1-1-1 熊本大学医学部第1外科
受理年月日
2002年10月30日
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