症例報告
腹腔鏡下胆嚢摘出術後に再発切除した胆嚢粘液嚢胞腺癌の1例
高見沢 潤一, 藤岡 進, 加藤 健司, 待木 雄一, 朽名 靖, 石川 玲, 吉田 カツ江*
桐生厚生総合病院外科, 同 病理*
症例は49歳のボリビア人女性で,1997年10月27日,他医にて腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けた.慢性胆嚢炎の病理組織診断であった.1998年12月より右悸肋部痛を認め,肝膿瘍として保存的に加療された(別の他医).その後右悸肋部痛が続き,腹壁腫瘤を認め,1999年7月26日当科入院となった.腹部CT検査にて腫瘤は肝床部から肝実質へおよぶ径約8cmの充実性部分を伴う多嚢胞病変とそれらとは独立した嚢胞病変を皮下および腹腔内に複数個認め,8月11日手術を施行した.肝床を中心とした腫瘤は十二指腸球部,横行結腸に浸潤していた.また,前回術創の皮下から腹腔内,大網に嚢胞性病変を計4個認め,肝床切除,胃,十二指腸,横行結腸合併切除,腹壁腫瘤摘出を施行した.術後の病理組織診断では腫瘤はすべて粘液嚢胞腺癌であった.初回手術時の切除胆嚢を再検したところ,一部に同様な粘液嚢胞腺癌を認め,最終的に腹腔鏡下胆嚢摘出術後に肝床,皮下,腹腔内に再発した胆嚢粘液嚢胞腺癌と診断した.
索引用語
laparoscopic cholecystectomy, mucinous cystadenocarcinoma of the gallbladder, recurrence of gallbladder cancer
別刷請求先
高見澤 潤一 〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町65 名古屋大学大学院器官調節外科
受理年月日
2002年10月30日
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