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第36巻 第3号 2003年3月 [目次] [全文 ( PDF 131KB)]
原著

急性膵炎に伴う膵仮性嚢胞手術症例の検討

岡田 憲幸, 和田 道彦, 正井 良和, 宮原 勅治, 橋本 隆, 今井 史郎, 柳橋 健, 小西 豊, 梶原 建熈

神戸市立中央市民病院外科

 目的:急性膵炎に伴って生じた膵仮性嚢胞を分類し,手術適応と予後について検討した.対象と方法:当院における過去15年間の急性膵炎に伴う膵仮性嚢胞症例38例を手術施行例と非施行例に分類し,その経過と仮性嚢胞の性状,手術適応と術式,予後を検討した.結果:保存的治療に抵抗し手術を要した症例は全体で21例(55%)あった.手術を要した症例は保存的症例に比べ,膵仮性嚢胞が単房性のもの,膵尾部のもの,膵管との交通があるもの,嚢胞最大径の大きいものにそれぞれ多く見られた(統計上の有意差はなかった).手術は切除術13例(膵体尾部切除11例,膵頭十二指腸切除2例),嚢胞消化管吻合4例,開腹ドレナージ4例であった.開腹術の適応は次の4種類に分類できた.(1)難治性で腹部症状が軽快しないもの11例,(2)膿瘍化したもの4例,(3)嚢胞から出血の見られたもの3例,(4)腫瘍性病変の疑われたもの3例であった.出血の2例,感染の1例に対し緊急手術が施行された.全手術症例とも1度軽快退院したが,8例が膵炎で再入院し3例に仮性嚢胞の再発がみられた.結語:膵仮性嚢胞の最大径が大きく難治性のもので膵炎の入院を繰り返している症例は手術適応を考慮しながら治療する.嚢胞内出血や感染,膿瘍を生じたときは緊急手術適応となりうる.手術だけでは膵炎の再燃する症例もあり,嚢胞に対する治療とともに膵炎に対する治療が大切と考えられた.

索引用語
acute pancreatitis, pancreatic pseudocyst, operative indication

日消外会誌 36: 179-185, 2003

別刷請求先
岡田 憲幸 〒650-0046 神戸市中央区港島中町4-6 神戸市立中央市民病院外科

受理年月日
2002年11月27日

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