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第36巻 第3号 2003年3月 [目次] [全文 ( PDF 122KB)]
症例報告

7年8か月にわたり胃粘膜癌で留まった印環細胞癌の1切除例

山田 敬之, 六本木 隆, 前村 道生, 本間 学, 山田 達也**, 竹吉 泉**, 大和田 進**, 森下 靖雄**

国立沼田病院外科, 同 病理
群馬大学第2外科**

 患者は77歳の女性で,1994年4月に集団検診で胃角部の異常を指摘され,同年6月の胃内視鏡検査で大きさ3×3cm,0-IIc,生検で印環細胞癌と診断された.治療目的で当院へ紹介されるも,患者が治療を拒否したため,経過観察となった.2002年2月に上腹部痛で近医を受診し,胃内視鏡,胃X線検査で胃角部前壁にfoldの集中を伴う大きさ5×5cmの陥凹性病変を認め,同部の生検で印環細胞癌と診断された.画像診断で所属リンパ節転移や遠隔転移を認めなかった.2002年2月に手術診断sT1(SM),sN0,sH0,sP0,sM0,Stage Iaで幽門側胃切除,D2郭清を施行し,B-I法で再建した.病理はsig,pType 0-IIc,pT1(M),pN0,sH0,sP0,sM0,Stage Iaであった.ある種の早期胃印環細胞癌は長期間粘膜内に留まり,進行しないことが示唆された.

索引用語
early gastric cancer, long-term follow up

日消外会誌 36: 192-195, 2003

別刷請求先
山田 敬之 〒378-0051 沼田市上原町1551-4 国立沼田病院外科

受理年月日
2002年11月27日

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