横行結腸間膜に発生したintra-abdominal desmoidの1例

村上　真, 前田　浩幸, 広野　靖夫, 五井　孝憲, 飯田　敦, 木村　俊久, 竹内　一雄, 片山　寛次, 廣瀬　和郎, 山口　明夫

福井医科大学第1外科

　結腸間膜にsporadicな発症を来したintra-abdominal desmoidを1例経験したので報告する．症例は，52歳の女性．43歳時に子宮筋腫の手術歴あり．2001年9月より，右下腹部痛が出現し近医を受診した．腹部CT検査により腹腔内に5×4cmの腫瘤を指摘され，当科紹介入院となった．注腸造影X線検査で横行結腸が壁外より圧排を受けていたが，粘膜面に異常所見は認めなかった．CT，MRI，血管造影検査から腸間膜腫瘍もしくはSchloffer's tumorを考え，開腹術を施行した．開腹所見で腫瘍は横行結腸間膜に存在した．境界不明瞭で上行結腸と横行結腸への浸潤が疑われたため，右半結腸切除術を施行した．病理組織学的所見より，腫瘍はintra-abdominal desmoidと診断され，横行結腸筋層への浸潤が認められた．

別刷請求先
村上　真　〒910-1193　福井県吉田郡松岡町下合月23-3　福井医科大学第1外科

受理年月日
2002年12月18日

PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です