腸重積症を合併した成人Burkittリンパ腫の1例

河内　康博, 重田　匡利, 友近　忍, 中尾　光宏, 藤田　雄司, 宮原　誠, 久保　秀文, 長谷川　博康, 宮下　洋

社会保険徳山中央病院外科

　極めてまれな回腸Burkittリンパ腫による成人腸重積症の1手術例を経験したので報告する．症例は67歳の男性で，1か月前より間欠的腹痛，嘔気，嘔吐および食欲不振を認め，大腸内視鏡検査で多発性大腸ポリープ，大腸癌の疑いと診断され当院紹介となった．注腸検査，腹部超音波検査，大腸内視鏡検査で回腸結腸型腸重積症と診断し，重積部を含めた結腸右半切除術を施行した．病理組織学的にBurkittリンパ腫と診断され，術後の血液検査でEpstein-Barr Virus（EBV）-Viral Capsid Antigen（VCR）IgG 320倍であった．化学療法を施行し，術後11か月の現在，寛解生存中である．本邦において成人腸重積症を合併したBurkittリンパ腫は自験例を含め5例の報告のみで，考察を加えて報告する．

索引用語
Burkitt's lymphoma, intussusception

別刷請求先
河内　康博　〒745-8522　徳山市孝田町1-1　社会保険徳山中央病院外科

受理年月日
2003年1月22日

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