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第36巻 第8号 2003年8月 [目次] [全文 ( PDF 69KB)]
原著

POSSUM scoreを用いた高齢者腹部緊急手術のリスク判定に関する検討

星名 聖剛, 竹村 和郎, 長屋 昌樹, 山田 明生, 明石 勝也, 山口 晋

聖マリアンナ医科大学救急医学教室, 同 消化器外科学教室

 はじめに:緊急手術においては,全身状態の評価や術式決定に要する時間的余裕がないため,客観的評価が困難である.高齢者緊急手術のリスクを判定する目的でPOSSUM scoreおよびAPACHE II scoreを用いてretrospectiveに検討した.方法:対象は1996年から4年間に,当院救急センターに来院した患者102,384例の内,消化器緊急手術を行った70歳以上の高齢者65例である.これらの患者のリスクをPOSSUMおよびAPACHE IIによるscoring systemを用いて検討した.結果:手術死は13例,生存例は52例であった.POSSUMによる術前の身体スコアーは生存群24.3±5.7,死亡群30.9±10.0で有意な差がみられた.手術侵襲スコアーにおいても生存群13.9±5.0,死亡群20.8±7.3と死亡群で有意な差を示した.術後合併症が発生した35例では,合併症発生リスクは0.73±0.22で,合併症の無い症例の0.55±0.22に対し有意な差を示した.APACHE IIは生存群では術前10.4±5.7,術後9.3±3.9と有意な低下がみられ,死亡群では術前12.5±8.2,術後15.2±7.4と上昇傾向がみられた.考察:APACHE IIでは予後を予想することはできないのに対して,POSSUM scoreは術後死亡および合併症発生の予測に有用であり,身体スコアーを参考にして安全な術式を選択することが肝要であると考えられた.

索引用語
The aged, abdominal surgical emergency, POSSUM score, APACHE II score

日消外会誌 36: 1159-1166, 2003

別刷請求先
星名 聖剛 〒216-8511 川崎市宮前区菅生2-16-1 聖マリアンナ医科大学救急医学教室

受理年月日
2003年3月26日

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