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第36巻 第8号 2003年8月 [目次] [全文 ( PDF 113KB)]
症例報告

肝門部胆管癌と鑑別が困難であった原発性硬化性胆管炎の1例

稲垣 均, 黒川 剛1), 小島 宏, 加藤 潤二, 小島 泰樹, 藤光 康信, 松井 隆則, 坂本 純一2), 野浪 敏明1)

県立愛知病院消化器外科, 愛知医科大学消化器外科1), 京都大学医学部疫学研究情報管理学2)

 症例は57歳の男性.関節炎にて通院中,血液検査にて黄疸を指摘された.経皮経肝的胆管ドレナージを施行後,肝門部胆管癌と診断され,当科に紹介された.胆管造影では,左右肝内胆管が拡張し,左右肝管から総肝管にかけて狭窄像を認め,血管造影では,右肝動脈の軽度狭小化を認めた.画像所見より肝門部胆管癌と診断し,経皮的右門脈塞栓術を行い,拡大肝右葉切除術,尾状葉切除術を行った.術後の病理組織学的には悪性所見を認めず,胆管周囲に肥厚した線維化層と,肝内に著明な炎症細胞の浸潤を認めた.胆道系疾患の既往はなく,原発性硬化性胆管炎と診断した.原発性硬化性胆管炎の診断上,胆管癌との鑑別が重要である.特に,本例のごとく,肝門部の限局型に対する鑑別診断は,困難であることが多い.硬化性胆管炎は,進行性であり,胆管癌を高率に併発する疾患であり,限局した胆管狭窄に対する診断においては,常に本疾患の可能性のあることに留意し,慎重に治療方針を決定する必要がある.

索引用語
primary sclerosing cholangitis, bile duct cancer

日消外会誌 36: 1189-1193, 2003

別刷請求先
稲垣  均 〒444-0011 愛知県岡崎市欠町栗宿18 県立愛知病院外科

受理年月日
2003年2月26日

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