症例報告
空腸静脈瘤破裂の1例
澤田 成彦, 梅本 淳, 稲山 治, 岡田 雅子, 清家 純一, 本田 純子, 沖津 奈都, 沖津 宏, 門田 康正
徳島大学医学部病態制御外科
門脈圧亢進を伴う消化管出血で胃食道以外から来たすことはまれである.今回,空腸静脈瘤破裂にて緊急手術に至った症例を経験したので報告する.患者は59歳の男性で,以前より肝硬変および肝癌にて治療中であった.下血,ショックにて近医に受診し,上部・下部消化器内視鏡を施行したが,出血源を特定できず,当院に搬送された.出血シンチグラフィ,血管造影を施行し,上部小腸からの出血が疑われ,緊急開腹手術を施行した.Treitz靭帯よりやや肛門側の空腸に静脈瘤が認められた.胃を切開し,挿入した内視鏡検査にて同部位に出血点を確認した.静脈瘤を空腸壁外より縫合結紮した.術後一時期肝不全に陥ったが,G. I療法,血漿交換により救命し,その後は経過良好にて退院した.
索引用語
jejunal varicesi, potal hypertension
日消外会誌 36: 1327-1331, 2003
別刷請求先
澤田 成彦 〒770-8503 徳島市蔵本町2-50-1 徳島大学医学部病態制御外科
受理年月日
2003年3月26日
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