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第36巻 第11号 2003年11月 [目次] [全文 ( PDF 104KB)]
症例報告

術後難治性膵液瘻に対してフィブリン糊瘻孔内充填が有効であった1例

徳山 泰治, 古田 智彦, 須原 貴志, 松尾 篤, 細野 芳樹, 佐治 重豊

金山町国民健康保険病院外科
岐阜大学腫瘍総合外科

 症例は81歳の男性.胃体部から前庭部にかけての4型胃癌との診断で胃全摘術を施行した.術後膵液瘻を来し,28日目の瘻孔造影で瘻孔が食道空腸吻合部の空腸盲端と内瘻化し,翌日には総胆管へも内瘻化している所見が確認された.そこで,ソマトスタチンアナログ,血液凝固第13因子製剤を併用する保存的治療を行ったが治癒しなかった.術後58日目には十二指腸断端への内瘻化を認めたため,フィブリン糊瘻孔内充填を施行したところ,瘻孔は閉鎖しその後経過良好で術後82日目に退院した.この結果から,フィブリン糊充填療法は難治性膵液瘻の治療において有効な手段になりうると思われた.

索引用語
ost-operative pancreatic fistula, somatostatin, fibrin glue injection

日消外会誌 36: 1535-1540, 2003

別刷請求先
徳山 泰治 〒464-8681 名古屋市千種区鹿子殿1-1 愛知県がんセンター消化器外科

受理年月日
2003年5月27日

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