症例報告
管外型十二指腸憩室による十二指腸閉塞の1例
藤原 郁也, 鴻巣 寛, 沢辺 保範, 井上 知也, 白方 秀二
綾部市立病院外科
管外型十二指腸憩室のまれな合併症として,十二指腸閉塞をきたした症例を報告する.症例は76歳の女性.心窩部痛,食欲低下,嘔吐を主訴に入院となる.腹部CT検査にて十二指腸の拡張,総胆管と胆嚢の拡張,胆嚢周囲に液体の貯留を認めた.また,十二指腸水平部に食物塊を入れた憩室を認めた.十二指腸狭窄による十二指腸内圧上昇によって,逆流性胆管炎を生じたものと考えイレウス管を挿入した.十二指腸の減圧によって胆管炎は軽快したが,食物は通過せず手術を施行した.手術所見では十二指腸水平部に大きさ7 cmの食物塊を含む憩室があり,これが十二指腸を圧迫し通過障害をきたしたものと考え,憩室を切除した.術後経過は良好であった.
索引用語
duodenal diverticulum, duodenal obstruction, cholangitis
日消外会誌 36: 1545-1548, 2003
別刷請求先
藤原 郁也 〒623-0011 綾部市青野町大塚20-1 綾部市立病院外科
受理年月日
2003年5月27日
 |
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|