症例報告
全層優位型好酸球性回腸炎の1例
山中 秀高, 小野 要, 佐藤 達郎, 瀬古 浩
犬山中央病院外科
好酸球性胃腸炎は病型により症状が異なり,内科的治療が主体であるが,外科的治療を余儀なくされる場合もある.今回,回腸部分切除術を施行した1例を本邦報告例の検討を含め報告する.症例は47歳の男性.既往歴,アレルギー歴に特記事項無し.現病歴は2002年4月9日,腹痛で来院し,腹部単純X線検査でイレウスを認め入院した.腹部は膨満し,やや硬く,下腹部に圧痛,反跳痛,筋性防御を認めた.血液検査で好中球優位の白血球増多を認めたが,好酸球は正常であった.LDHとCRPの上昇も認めた.腹部CT検査で小腸の絞扼性イレウスと診断し緊急手術を施行した.回盲弁より160 cm口側回腸に白色調の肥厚狭窄を認め,虚血性腸炎と判断し回腸部分切除術を施行した.病理組織で好酸球性回腸炎と診断され,いわゆる全層優位型であった.
索引用語
eosinophilic gastroenteritis, predominantly transmural type
日消外会誌 36: 1609-1614, 2003
別刷請求先
山中 秀高 〒484-8511 犬山市大字五郎丸字二夕子塚6 犬山中央病院外科
受理年月日
2003年6月25日
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