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第37巻 第1号 2004年1月 [目次] [全文 ( PDF 97KB)]
原著

肝切除周術期における血清ヒアルロン酸および血清α1-アンチトリプシンの変動の意義―術後合併症との関連―

木村 徹, 高橋 毅, 佐藤 光史, 柿田 章

北里大学医学部外科

 はじめに:肝切除周術期において血清ヒアルロン酸(Hyaluronic acid:以下,HA)値および血清α1‐アンチトリプシン(α1-Antitrypsin:以下,AT)値を測定し,合併症発症との関連について検討した.方法:肝切除29例の周術期において血清HA値およびAT値を測定した.術前HA値によって,高値群(HH群)14例,正常群(HN群)15例に分類し,胃切除群(GX群)10例を対照として変動を比較した.また,術後合併症発症群と非発症群での変動を比較した.結果:術前HA値はICG R15と正相関,PT,HPT,ChEと逆相関を示した.また,肝線維化の程度ではHH群はHN群に比べ,肝硬変症例が圧倒的に多く,有意差が認められた(p<0.01).29例中6例に術後合併症を発症,HH群のSIRS症例からの発症であった.合併症群では非合併症群に比べHA値は術前後を通じ有意に高値(p<0.05)であった.AT値は合併症群で第1病日に術前値に比べ有意な低下(p<0.01)を示し,また第3病日以降では,非合併症群に比べ有意に低値(p<0.05)であった.術前HA値と術後第3病日のAT値は逆相関を示した.考察:術前からHA値が高く,肝類洞内皮細胞機能低下があった症例では,その程度に応じてprotease inhibitorであるATの術後における産生が低下しており,SIRSから合併症に移行しやすいと考えられた.したがって,術前HA値は合併症の有用な予測因子であると思われた.

索引用語
hyaluronic acid, α1-antitrypsin, hepatic resection, postoperative complication

日消外会誌 37: 21-30, 2004

別刷請求先
木村 徹 〒228-8522 相模原市桜台18-1 国立相模原病院外科

受理年月日
2003年9月24日

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