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第37巻 第3号 2004年3月 [目次] [全文 ( PDF 110KB)]
原著

肝癌低侵襲手術症例における中心静脈栄養は必要か?

山本 隆嗣, 広橋 一裕, 首藤 太一, 小川 雅生, 酒部 克, 田中 肖吾, 上西 崇弘, 塚本 忠司, 田中 宏, 久保 正二

大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵外科

 背景:肝細胞癌(肝癌)症例は慢性肝疾患を背景とした肝予備能低下症例が多く,術後輸液栄養管理に当科では中心静脈栄養管理(IVH)を行ってきたが,近年術後経過の良好な早期退院症例が増え,IVH非施行症例も増えつつある.今回,当科における肝癌の低侵襲手術症例を対象としてretrospectiveにIVH施行の要否を検討した.対象と方法:最近2年6か月間の亜区域切除以下の肝切除あるいは開腹下の肝焼灼術を施行した肝細胞癌患者80症例をIVHを施行しなかった18例(non-IVH群:開腹下肝約灼術6例,肝部分切除術12例)とIVHを施行した62例(IVH群:肝焼灼術7例,肝部分切除術55例)に分け術前背景,術後状態について比較を行った.結果:non-IVH群の平均像は年齢64.1歳,体重57.3 kg,肝切除重量17.1 g,術前肝予備能はChild-Pugh A 15例,B 3例,肝障害度はA 8例,B 9例,C 1例であった.術後合併症は1例に胆汁漏がみられたが,術死・死亡退院症例はなかった.non-IVH群の平均食事開始日は2.3日,術後在院日数は19.9日であった.両群間には年齢,体重,切除重量,肝予備能,肝障害度,経口摂取までの1日輸液量,血糖値,血中脂質値,合併症発生頻度,手術日からの在院日数に差がなく,食事開始日はnon-IVH群が早い結果となった(p<0.01).結語:肝予備能が比較的良好で術中術後に血行動態の急激な変化が懸念されず,部分切除を目的とした肝癌症例ではIVH管理を行わずとも末梢輸液と早期経口摂取で術後栄養管理が可能であると考えられた.

索引用語
hepatectomy, hepatocellular carcinoma, postoperative nutrition, intravenous hyperalimentation

日消外会誌 37: 265-273, 2004

別刷請求先
山本 隆嗣 〒545-8585 大阪市阿倍野区旭町1-4-3 大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵外科

受理年月日
2003年10月29日

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