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第37巻 第3号 2004年3月 [目次] [全文 ( PDF 60KB)]
原著

中心静脈栄養は膵頭十二指腸切除術後の標準的栄養法として必要か

久野 博文, 加藤 岳人, 柴田 佳久, 鈴木 正臣, 尾上 重巳, 長澤 圭一, 佐藤 太一, 河原 健夫, 田井中 貴久, 小西 由樹子

豊橋市民病院外科

 目的:膵頭十二指腸切除後に中心静脈栄養(TPN)を行う意義があるかどうかを検討する.対象と方法:最近7.5年間に当院で行った膵頭十二指腸切除を,術後にTPNを行った群(TPN群,N=55)と末梢静脈からの糖電解質輸液による栄養のみ行った群(Control群,N=54)に分けて,術後合併症,術後死亡率,入院日数,術後生存率,術後血液生化学検査所見についてRetrospectiveに検討した.結果:両群間の合併症発生率は,同様であった(TPN群54.5%,Control群44.4%).合併症を感染性合併症(TPN群40%,Control群24%),非感染性合併症(TPN群34.5%,Control群31.5%),重症合併症(TPN群16.3%,Control群5.6%)に分類して検討しても,両群間に有意差はなかった.術後死亡率にも有意差はなかった(TPN群5.5%,Control群0%).術後生存率,術後血液生化学検査も有意差はなかった.また,平均入院日数も有意差はなかった(TPN群31日,Control群30日).考察:retrospectiveな検討であるが,PD後に標準的にTPNを行っても,必ずしもPDが安全になるという証明はできなかった.よって,PDにおいては,TPNはルーチンに行うのではなく,術前に経口摂取不良や栄養障害のみられる患者や,術後に合併症が発生し長期経口摂取不能となった場合に適応をしぼった使用を考慮してもよいと考えられた.

索引用語
total parenteral nutrition, after pancreatoduodenectomy, postoperative complication, perioperative nutrition after pancreas resection

日消外会誌 37: 283-289, 2004

別刷請求先
久野 博文 〒441-8570 豊橋市青竹町字八間西50 豊橋市民病院外科

受理年月日
2003年10月29日

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