小腸に発生した末梢性未分化神経外胚葉性腫瘍peripheral primitive neuroectodermal tumorの1例

尾崎　信三^1）, 山本　真也^1）, 川村　明廣^1）, 荒木　京二郎^2）, 弘井　誠^3）

くぼかわ病院外科^1）, 高知医科大学第1外科^2）, 国立高知病院臨床検査科^3）

　末梢性未分化神経外胚葉性腫瘍peripheral primitive neuroectodermal tumor（PNET）は中枢神経系外に発生し組織学的，免疫組織学的，超微形態学的に神経上皮への分化を認める小円形細胞腫瘍である．我々は小腸に発生したPNETを経験した．症例は49歳の男性で，下腹部痛を主訴に当科を受診し，腸閉塞の診断で入院した．保存的治療で改善せず，腹部CT検査で腸重積所見を認め手術を施行した．小腸に14か所の白色調腫瘍を認めたが，根治的切除は困難で，腸閉塞解除と組織確認のために先進部の小腸分節切除を施行した．病理組織像で小円形細胞腫瘍像であり，免疫特殊染色でMIC2陽性でPNETと診断した．術後腸閉塞は解除されたが，全身状態は次第に悪化し，術後41日目に死亡した．我々の検索した範囲では，原発・転移を含め腸管にPNETの発生した報告はなく非常にまれな症例と思われた．

索引用語
primitive neuroectodermal tumor, ewing sarcoma, MIC2

別刷請求先
尾崎　信三　〒787-0785　宿毛市山奈町芳奈3-1　高知県立幡多けんみん病院外科

受理年月日
2003年10月29日

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