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第37巻 第5号 2004年5月 [目次] [全文 ( PDF 103KB)]
症例報告

薬物療法が著効した腹腔内デスモイド腫瘍の1例

日比野 茂, 藤岡 進, 加藤 健司, 待木 雄一, 朽名 靖, 竹之内 靖, 松葉 秀基, 森前 博文, 平田 明裕, 吉田 カツ江

桐生厚生総合病院外科, 同 病理

 症例は62歳の男性で,便秘を主訴に他院受診し,骨盤内腫瘍および右水腎症を指摘され当院紹介となった.注腸検査にて直腸は左方に圧排されており,全周性の狭小化がみられたが粘膜面は正常で直腸壁は軟らかい印象であった.骨盤部造影CT検査では骨盤右側から直腸周囲に境界不明瞭な腫瘤性病変が認められ,直腸が左方に圧排されていた.膀胱壁は右側を中心に不整に肥厚していた.また右尿管の拡張および右水腎症を認めた.これらの所見より骨盤腔内腫瘍による直腸狭窄,右水腎症と診断し,開腹術を施行した.病理組織学的に腹腔内デスモイドと診断した.術後Tamoxifen,Indometacinによる内服治療により触診および画像上の改善がみられた.切除不能な腹腔内デスモイド腫瘍において薬物療法が著効した1例を経験したので今後の治療の問題点を含めて考察した.

索引用語
desmoid, tamoxifen, indometacin

日消外会誌 37: 590-594, 2004

別刷請求先
日比野 茂 〒376-0024 桐生市織姫町6-3 桐生厚生総合病院外科

受理年月日
2003年11月26日

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