症例報告
Press through packageによる消化管穿孔の2例
山本 寛斉1)2), 宇高 徹総1), 徳毛 誠樹1)2), 曽我部 長徳1), 水田 稔1), 白川 和豊1), 大屋 崇1)
三豊総合病院外科1), 岡山大学大学院医歯学総合研究科腫瘍・胸部外科2)
今回,我々はpress through package(PTP)誤飲による消化管穿孔の2例を経験したので報告する.症例1は97歳の女性で,当院整形外科入院中にイレウスを発症し,保存的治療にて軽快しないため外科紹介となった.腹部CTで絞扼性イレウスを疑い緊急手術を施行したところ,Treitz靱帯より130 cmの空腸にPTPによる穿孔を認めた.穿孔部を含めて空腸部分切除術を施行した.症例2は65歳の男性.脳梗塞,閉塞性動脈硬化症にて当院通院中であったが,PTP誤飲を自覚しその後より咽頭痛および胸骨後痛が出現したため来院した.緊急上部消化管内視鏡検査にてPTPによる食道穿孔を認めたため緊急手術を施行した.穿孔部位を直接縫合閉鎖し,さらに胃切開を行いPTPを摘出した.最近PTP誤飲による消化管穿孔が増加してきており,患者への啓蒙やPTP包装の工夫が必要である.
索引用語
press through package, perforation of the digestive tract
別刷請求先
山本 寛斉 〒700-8558 岡山市鹿田町2-5-1 岡山大学大学院医歯学総合研究科腫瘍・胸部外科
受理年月日
2004年1月28日
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