症例報告
von Recklinghausen病に合併し卵巣腫瘍と鑑別困難であった嚢胞性回腸gastrointestinal stromal tumorの1例
野口 肇, 杉谷 通治, 西村 和彦, 落合 匠, 岡田 豪, 北島 政幸, 神山 博彦, 岡野 匡雄*
東京都保健医療公社東部地域病院外科, 同 検査科*
症例は61歳の女性で,既往歴にvon Recklinghausen病がある.1998年10月下腹部の腫瘤を自覚し,徐々に増大してきたため近医を受診した.卵巣嚢腫疑いにて当院婦人科紹介受診した.超音波検査にて骨盤腔内にcystic massを認めた.卵巣腫瘍の診断で1999年1月,婦人科にて手術を施行した.開腹すると回盲弁より100 cm口側に11 cm大の小腸腫瘍を認めたため外科転科,腫瘍を含め小腸部分切除術を施行した.切除標本の免疫組織染色にてc-kit,CD34,Vimentin,α-smooth muscle actin強陽性,s-100蛋白,Desmin陰性を示し,gastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断した.現在までにvon Recklinghausen病に合併した嚢胞性の回腸GISTの報告例はなく自験例が初めてであった.今回貴重な症例を経験したので文献的考察を加え報告する.
索引用語
von Recklinghausen's disease, gastrointestinal stromal tumor
別刷請求先
野口 肇 〒125-8512 東京都葛飾区亀有5-14-1 東京都保健医療公社東部地域病院外科
受理年月日
2004年1月28日
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