症例報告
内壁が幼若な繊毛円柱上皮で構成された胃嚢胞の1例
伊藤 一成, 須藤 日出男, 鴇田 博美, 向出 将人, 片柳 創, 高木 融, 青木 達也, 小柳 泰久
東京医科大学外科学第3講座
症例は40歳の女性で,主訴は嚥下困難であった.近医にて胃食道接合部の胃粘膜下腫瘍と診断された.超音波内視鏡検査にて食道胃接合部直下に存在する胃壁第4層由来の胃嚢胞と診断した.自験例は嚥下困難があり悪性が否定できず噴門側胃切除,空腸間置再建術を施行した.病理組織学的所見から嚢胞壁の内側には幼若な繊毛円柱上皮を認め,また核は基底部と中央部に多列に存在しており食道原基由来の組織の迷入が示唆された.胃に発生した嚢胞性病変は胃嚢胞,enterogenous cyst,消化管重複症などとさまざまに報告されている.我々は内壁が幼若な繊毛円柱上皮で構成された胃嚢胞の1例を経験したので報告した.
索引用語
gastric cyst, enterogenous cyst
日消外会誌 37: 1390-1394, 2004
別刷請求先
伊藤 一成 〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-7-1 東京医科大学病院外科学第3講座
受理年月日
2004年2月25日
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