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第37巻 第9号 2004年9月 [目次] [全文 ( PDF 79KB)]
原著

家族性大腸腺腫症に対する結腸全摘・回腸直腸吻合術の長期術後成績

小山 基, 森田 隆幸, 村田 暁彦, 佐々木 睦男

弘前大学第2外科

 目的:家族性大腸腺腫症(FAP)に対する予防的手術の術式として,結腸全摘回腸直腸吻合術(IRA),回腸肛門吻合術(IAA),回腸肛門管吻合術(IACA)が選択される.今回,IRAの長期的な術後経過から,手術術式と治療方針について検討を加えた.対象:1970年から2002年までのFAP初回手術例は72例で,1990年までの予防的あるいは治癒手術例は42例であった.このうち直腸病変が非密生型であること,下部直腸に癌の合併がないこと,術後定期的追跡調査ができることを前提にIRAを29例に施行した.結果:IRA初回手術29例の性別は男性16例,女性13例で,平均年齢は28.9歳であった.平均19.7年の術後観察期間において,残存直腸からの発癌が8例(27.6%)で認められた.その内訳は,男性3例,女性5例であり,初回手術時の平均年齢は30.3歳であった.初回手術時の癌合併は4例で認められ,密生型が4例,非密生型が4例であった.APC遺伝子変異は検索した7例全例(codon 348-785:1例,codon 658-1283:3例,codon 1099-1700:3例)で認めた.初回手術から残存直腸発癌までの平均期間は15.0年(1.3~30年)であり,再手術は,IACA 2例,腹会陰式直腸切断術2例,局所切除1例,IAA 3例を施行した.1年に1~2回の定期的検査を継続していたが,5例がmp以深の進行癌であり,2例は残存直腸の発癌のため死の転帰をとった.結語:手術時には直腸病変が非密生型であっても,その時点で病態が完成しているわけではなく,予防的手術の術式としては,原則としてIAAもしくはIACAを選択すべきことが確認できた.

索引用語
familial adenomatous polyposis (FAP), restorative proctocolectomy, ileo-rectal anastomosis (IRA), remnant rectal cancer

日消外会誌 37: 1509-1516, 2004

別刷請求先
小山  基 〒036-8562 弘前市在府町5 弘前大学第2外科

受理年月日
2004年3月24日

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