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第37巻 第9号 2004年9月 [目次] [全文 ( PDF 82KB)]
原著

局所進行大腸癌における周囲臓器浸潤の予後因子としての意義

中房 祐司, 北島 吉彦, 佐藤 清治, 田中 雅之, 田中 聡也, 宮崎 耕治

佐賀大学医学部一般・消化器外科

 目的:本研究では局所進行大腸癌における周囲臓器浸潤の臨床的意義について検討した.方法:当科で1992-98年に根治度A手術を施行した深達度ss(a1)以深の大腸癌患者323例を対象として,組織学的周囲臓器浸潤と臨床病理学的因子の関係を調べ,臨床病期分類を参考に予後に与える影響を解析した.結果:ss(a1)以深大腸癌323例中si(ai)症例は28例(8.7%)であった.si(ai)癌はss(a1)~se(a2)と比較して腫瘍径が大きく,隣接臓器合併切除や輸血の頻度,出血量が多く,手術時間が長かった(p<0.0001).大腸癌取扱い規約II-IIIa期症例(n=261)の生存率をss(a1)~se(a2)とsi(ai)とで比較すると全く差を認めなかったが(p=0.9591),n(-)とn1(+)では有意差を認めた(p=0.0487).リンパ節転移陰性であるTNMII期症例(n=177)をIIA期(pT3)とIIB期(pT4)とで比較しても,両群の生存率に差を認めなかった(p=0.8069).ss(a1)以深大腸癌全体の予後因子を多変量解析するとリンパ節転移(p=0.0043)と輸血(p=0.0223)のみが独立因子として残った.結論:根治切除局所進行大腸癌における組織学的周囲臓器浸潤はリンパ節転移と比較して直接的予後決定因子としての意義は小さいが,周術期因子への影響は大きく,輸血などを介して間接的に予後を左右する可能性がある.周囲臓器浸潤を伴う大腸癌ではこれらを認識したうえでの治療法選択や周術期管理が必要である.

索引用語
T4 tumor, direct invasion to adjacent organs, colorectal cancer, multivisceral resection

日消外会誌 37: 1517-1524, 2004

別刷請求先
中房 祐司 〒849-8501 佐賀市鍋島5-1-1 佐賀大学医学部一般・消化器外科

受理年月日
2004年3月24日

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