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第37巻 第9号 2004年9月 [目次] [全文 ( PDF 93KB)]
症例報告

術前診断しえた傍十二指腸ヘルニアの3例

稲川 智, 福永 潔, 阿竹 茂, 明石 義正, 松田 充宏, 辻 勝久, 石川 詔雄

筑波メディカルセンター病院外科

 術前に診断しえた傍十二指腸ヘルニアの3例を経験したので報告する.症例1は49歳の男性.約5か月に及ぶ腹痛,嘔吐を主訴にイレウスの診断で入院.UGI,腹部CTで傍十二指腸ヘルニアと診断し,手術を施行した.症例2は80歳の女性.7日前から腹痛が徐々に増強し,当院に搬送された.右腹部に腫瘤を触知し,CTで傍十二指腸ヘルニアと診断し,全身状態の悪化を懸念し,手術を施行した.症例3は53歳の女性.約3か月に及ぶ食後の腹痛,嘔吐を主訴に近医を受診.胃内視鏡検査で異常なく,経過観察されるも,腹痛悪化し,当院受診.腹部CTで傍十二指腸ヘルニアと診断し,手術を施行した.3例とも術後経過は良好であった.開腹既往のないイレウス症例では診断に苦慮することが多い.そこで当院で過去5年間に手術を施行した開腹既往のないイレウス症例を検討した.開腹既往がなく,腹痛を繰り返す症例では傍十二指腸ヘルニアも考慮する必要があると考える.

索引用語
internal hernia, paraduodenal hernia, CT scan

日消外会誌 37: 1543-1548, 2004

別刷請求先
稲川  智 〒305-8558 つくば市天久保1-3-1 筑波メディカルセンター病院外科

受理年月日
2004年3月24日

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