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第37巻 第10号 2004年10月 [目次] [全文 ( PDF 112KB)]
原著

食道癌周術期におけるintensive insulin therapyの有用性に関する検討

波戸岡 俊三, 篠田 雅幸, 陶山 元一, 光冨 徹哉

愛知県がんセンター胸部外科

 はじめに:食道癌術後患者で,insulinにより血糖を150 mg/dl以下にコントロールする方法(以下,IITと略記)の有効性を評価することを目的とした.対象および方法:2002年1月から2003年2月までに食道切除を行った連続41症例を対象とした.insulinの持続静注を17例に行い,血糖値を90-150 mg/dlの範囲に管理した.insulin治療を行わなかった24例を対照群とした.結果:IIT群では,平均血糖値は137 mg/dlであった.IIT群で50 mg/dl以下の低血糖はみられなかった.術後1,2,3病日の血清アルブミン値は,IIT群で良好に維持されていた(P<0.01).炎症のマーカー(C-reactive protein,白血球数)は,両群で差はなかった.Systemic inflammatory response syndrome発生期間は,統計学的な有意差はないがIIT群で短い傾向であった(P=0.057).術後合併症は,対照群で頻度が高い傾向を示したが,有意な差はなかった(P=0.34).特に感染症は,IIT群で頻度が少なかったものの統計学的な有意差は認められなかった(P=0.057).考察:食道癌術後患者で血糖値を150 mg/dl以下に管理するIITは,安全に実施可能であり,感染に関連した合併症を減らす可能性がある.

索引用語
blood glucose, hyperglycemia, insulin, postoperative care, esophageal neoplasms

日消外会誌 37: 1595-1602, 2004

別刷請求先
波戸岡俊三 〒464-8681 名古屋市千種区鹿子殿1-1 愛知県がんセンター胸部外科

受理年月日
2004年4月28日

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