有限責任中間法人日本消化器外科学会公式サイトへリンク 日本消化器外科学会雑誌 Online Journal
メインナビゲーションを飛ばす
ホームへリンク
最新号へリンク
既刊号へリンク
論文検索へリンク
投稿規定へリンク
編集委員会からへリンク
公式英文誌へリンク
購読のご案内へリンク
閲覧上のご注意へリンク
書誌情報 Japanese Englishページへリンク
第37巻 第10号 2004年10月 [目次] [全文 ( PDF 62KB)]
原著

癌告知と終末期診療における患者対応のあり方に関する検討―癌死患者の遺族調査から―

藤本 肇, 橋口 陽二郎, 上野 秀樹, 望月 英隆

防衛医科大学校第1外科

 はじめに:大腸癌術後に原癌死した症例の遺族に対してアンケート調査への回答を依頼し,癌告知と終末期医療についての現状と問題点について検討した.方法:1992年以降8年間の当科手術例のうち該当する187症例の遺族に,癌の告知状況と終末期の医療に関するアンケートを行い,回答のあった95例につき検討した.結果:告知状況については3群に分けられ,癌告知された告知群35%,告知されていないが家族の判断では患者が癌を自覚していたと思われる自覚群53%,癌を自覚していない非自覚群12%となっていた.告知率は対象期間の後半で有意に高率であった.告知群では,終末期の病態を受容できていたとする回答が63%と,非自覚群の18%と比べて有意に高率であった.遺族の告知肯定意見は告知群では75%で,非自覚群の36%に比べ有意に高率であった.主治医との意思疎通の程度は,癌の病期別には差がなかったが,術後生存期間による差を認めた.対象中,在宅死は7.4%であった.病院死となった症例のうち88%は当院以外の一般病院での死であり,これら病院での終末期管理に満足と答えたのは27%に過ぎなかった.考察:早期からの癌告知が終末期の病態の受容を良好にすることが示唆された.告知の有無と程度,家族の告知希望が異なる場合の扱いについて,あらかじめ患者の意思を確認したうえで告知を行うことが,終末期の環境の構築に貢献するものと思われた.

索引用語
informed consent, colorectal cancer, telling the truth of cancer, cancer disclosure, palliative care

日消外会誌 37: 1610-1615, 2004

別刷請求先
藤本  肇 〒359-8513 所沢市並木3-2 防衛医科大学校第1外科

受理年月日
2004年4月28日

ダウンロードサイトへリンク PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です
このページのトップへ戻る
メインナビゲーションへ戻る
Copyright © 日本消化器外科学会