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第37巻 第10号 2004年10月 [目次] [全文 ( PDF 127KB)]
症例報告

24歳の女性に発生したfibrolamellar carcinomaの1切除例―本邦報告例の集計を含めて―

横溝 博, 山口 賢治, 一二三 倫郎1), 林 亨治, 平田 稔彦, 寺倉 宏嗣, 山根 隆明, 川口 哲1), 福田 精二2), 松金 秀暢

熊本赤十字病院外科, 同 消化器科1), 同 病理部2)

 症例は24歳の女性で,職場の健康診断で施行された腹部超音波検査にて6 cm大の肝右葉の腫瘤性病変を指摘され当院に紹介された.CTにて腫瘤は中心性瘢痕の部分を除いて強い早期濃染を示し,Superparamagnetic iron oxide(SPIO)-enhanced MRIでは取込みを認めず著明な高信号を呈しfibrolamellar carcinoma(FLC)が疑われた.肝右葉切除が行われ,病理組織学的に強い好酸性を示す大型の腫瘍細胞が層状の膠原線維により区画されておりFLCと診断された.FLCは通常型肝細胞癌とは異なる臨床病理学的特徴を有し,肝硬変のない若年者に好発する.しばしばリンパ節転移を伴う事から治療にあたっては肝切除に加えリンパ節郭清を行う必要がある.FLCに関する本邦報告例の集計52例を含め文献的考察を加えて報告する.

索引用語
fibrolamellar carcinoma, hepatocellular carcinoma

日消外会誌 37: 1645-1652, 2004

別刷請求先
横溝  博 〒862-8520 熊本市長嶺南2-1-1 熊本赤十字病院外科

受理年月日
2004年4月28日

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