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第37巻 第10号 2004年10月 [目次] [全文 ( PDF 72KB)]
症例報告

Cronkhite-Canada症候群に大腸癌を併存した2例

小林 久美子, 飯合 恒夫, 亀山 仁史, 加納 恒久, 松木 淳, 岡本 春彦, 須田 武保, 畠山 勝義

新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科

 症例1は65歳の男性.主訴は食欲不振,下痢,血便.内視鏡検査で胃と大腸にポリポーシスを認め,Cronkhite-Canada症候群(CCS)と診断された.また,上部直腸に高分化型腺癌を認めた.ステロイド治療で症状が改善した後,Hartmann式直腸切断術を施行した.症例2は57歳の男性.主訴は下痢,味覚異常.内視鏡検査で胃と大腸にポリポーシスを認めた.直腸S状部の隆起性病変に対して内視鏡的粘膜切除術を施行したところ,組織学的には高分化型腺癌であり,周囲粘膜はCCSによる粘膜病変であった.CCSのポリープは非腫瘍性ポリープとされているが,近年,消化器癌の併存例が多数報告されている.一般に予後は不良であるとされているが,治療法の改善に伴い多くの長期生存例を認めている.このような中で,当症例のように癌を併存する症例も増加することが考えられ,CCSに対しては注意深い経過観察が重要であると考えられた.

索引用語
Cronkhite-Canada syndrome, colorectal cancer

日消外会誌 37: 1658-1663, 2004

別刷請求先
小林久美子 〒951-8510 新潟市旭町通一番町757 新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科

受理年月日
2004年4月28日

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