症例報告
S状結腸間膜原発平滑筋肉腫の1例
岡田 恭穂, 鈴木 幸正, 中川 国利, 桃野 哲
仙台赤十字病院外科
S状結腸間膜原発の平滑筋肉腫の1切除例を経験したので報告する.症例は50歳の女性で,健診で左側腹部腫瘤を指摘された.左卵巣腫瘍を疑われ,当院に入院した.左下腹部に14 cm大の辺縁不整・弾性硬の腫瘤を触知した.USでは左卵巣近傍に低エコーの腫瘤像を,CTでは子宮左頭側に14×13×8 cmの不整形腫瘤とダグラス窩に腹水を認めた.MRIで腫瘤は,T1強調でlow, T2強調では辺縁部はlow,内部はhigh intensityを示した.開腹したところS状結腸間膜に腫瘤が存在し,左卵巣と癒着していたため卵巣と共にS状結腸を切除した.明らかな転移や腹膜播種を認めなかった.病理学的に腫瘍は,紡錘形細胞の密な増殖が主体で,異型大型核と細胞分裂像を認めた.なお免疫染色ではα-SMAおよびdesmin陽性で,平滑筋肉腫と診断した.術後5か月現在,全身状態は良好で,外来にて経過観察中である.
索引用語
leiomyosarcoma, mesosigmoid, gastrointestinal stromal tumor
日消外会誌 37: 1668-1673, 2004
別刷請求先
岡田 恭穂 〒980-0873 仙台市青葉区広瀬町4-15 仙台厚生病院消化器センター消化器外科
受理年月日
2004年4月28日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|