症例報告
成人S状結腸間膜裂孔ヘルニアの1例
元廣 高之1)2), 真田 俊明1), 大道 道大1), 浜田 吉則2)
大道病院外科1), 関西医科大学外科2)
症例は60歳の男性で,平成14年2月7日に突然,激しい腹痛を認め来院した.腹部単純X線と腹部CTでは拡張した小腸ガス像と鏡面形成を認めた.腹部超音波検査では,キーボードサインと腹水を認め,絞扼性イレウスの診断で緊急手術を施行した.開腹すると,S状結腸間膜に直径約5 cmの異常裂孔が存在し,小腸が貫通して絞扼されており,S状結腸間膜裂孔ヘルニアと診断した.術後経過は良好で第10病日に軽快退院した.成人のS状結腸間膜裂孔ヘルニアはまれであり,文献的考察を加えて報告した.
索引用語
transmesosigmoid hernia, internal hernia, sigmoid mesocolon
日消外会誌 37: 1777-1780, 2004
別刷請求先
元廣 高之 〒570-8507 守口市文園町10-15 関西医科大学外科学講座
受理年月日
2004年5月25日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|