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第37巻 第12号 2004年12月 [目次] [全文 ( PDF 109KB)]
原著

食道扁平上皮癌患者における術後経時的腫瘍マーカー測定の意義―再発例からの検討―

牧田 英俊, 村上 雅彦, 澤谷 哲央, 大塚 耕司, 普光江 嘉広, 加藤 貴史, 草野 満夫

昭和大学一般・消化器外科

 はじめに:食道扁平上皮癌患者における腫瘍マーカー(CEA,SCC抗原,CYFRA21―1)の経時的測定の意義について検討した.対象・方法:当科で手術を施行し定期的な術後経過観察を受けた食道扁平上皮癌患者55例(うち,再発23例)を対象とした.各マーカーの術前,再発時,再発直近時の陽性率を求め,また複数のマーカーを組み合せた同時分析も加え,進行度や術後経過との関連を検討した.結果:術前陽性率はCYFRA21―1(30.9%)が最も高かった.病理組織学的因子との検討では,CYFRA21―1のみ壁進達度・予後とに相関があった.3種マーカーのcombination assayにより,術前,再発時,再発直近時いずれも陽性率は有意に増加した.また,術後経過中,SCC抗原とCYFRA21―1の両者が陽性化した9例全例に再発を認め,うち8例(88.9%)がリンパ節転移であった.考察:3種類の腫瘍マーカー測定の保険請求は認められないが,食道扁平上皮癌における術前血清診断として,CEA,SCC抗原,CYFRA21―1によるcombination assayは有用であった.術前CYFRA21―1陽性例は,根治切除例といえども,追加治療の必要性が高いと考えられた.術後経過観察において,SCC抗原,CYFRA21―1の両者が陽性化した場合,高率に再発が疑われ,リンパ節再発の可能性が高いことが示唆された.画像上再発所見が認められなくとも,combination assayによるマーカー陽性時は,測定間隔を短縮し,積極的に再発を疑う必要性が示唆された.

索引用語
tumor marker, esophageal carcinoma, squamous cell carcinoma, combination assay, CYFRA21-1

日消外会誌 37: 1805-1812, 2004

別刷請求先
牧田 英俊 〒142-8666 東京都品川区旗の台1-5-8 昭和大学一般・消化器外科

受理年月日
2004年5月25日

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