症例報告
FDG-PETが診断に有用であった早期胆管癌の1手術例
小田原 宏樹, 大和田 進, 川手 進, 織内 昇*, 柏原 賢治**, 森下 靖雄
群馬大学大学院医学系研究科臓器病態外科学, 同 画像核医学*, 群馬大学医学部附属病院病理部**
FDG-PETが悪性度の診断に有用であった早期胆管癌の1手術例を経験した.症例は60歳の女性で,右季肋部痛を主訴に近医を受診した.超音波検査で胆管腫瘍を指摘され,CTおよびERCPでも中部胆管に腫瘤性病変を認めたが,共に悪性所見に乏しかった.細胞診ではclassIIであり,良悪性の判断はつかなかった.FDG-PETでSUV3.6およびSUV比2.8とFDGの高集積を認めた.以上より,中部胆管癌の診断で,幽門輪温存膵頭十二指腸切除,リンパ節郭清術を施行した.中部胆管に長径約2 cmの乳頭状腫瘍が存在し,病理組織学的診断は早期の乳頭腺癌であった.胆管癌と良性胆管腫瘍の鑑別は,時に難渋することがあるが,自験例ではFDG-PETにより悪性と診断し,適切な治療が選択できた.
索引用語
bile duct tumor, bile duct cancer, FDG-PET
日消外会誌 37: 1867-1871, 2004
別刷請求先
大和田 進 〒371-8511 前橋市昭和町3-39-15 群馬大学大学院医学系研究科臓器病態外科学
受理年月日
2004年5月25日
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