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第38巻 第1号 2005年1月 [目次] [全文 ( PDF 800KB)]
症例報告

食道原発非小細胞型未分化癌の1例

齋藤 心, 細谷 好則, 荒井 渉, 俵藤 正信, 横山 卓, 平嶋 勇希, 倉科 憲太郎, 永井 秀雄, 塚原 宗俊, 斎藤 建

自治医科大学消化器一般外科, 同 病理

 症例は82歳の男性で,嚥下困難を主訴に当科入院となった.内視鏡検査で下部食道にほぼ内腔を占める1型腫瘍が認められ,生検にて未分化癌と診断された.遠隔転移を認めず開胸開腹下に手術を施行した.中下部食道~胃上部を切除し,食道と胃管で再建した.組織学的に食道非小細胞型未分化癌と診断され,pT2,pN1,M0,Stage IIであった.術後3か月で多発肝転移・腹腔内リンパ節再発を認めた.CDDPと5-FUによる化学療法を施行したところ,転移巣はPartial Responseとなった.術後9か月の現在外来通院中である.食道非小細胞型未分化癌の本邦報告例は15例であり比較的まれな疾患である.予後不良とされるが,15例中6例に化学療法が施行され奏効率は67%(4/6)であった.放射線単独,手術単独療法での長期生存例の報告もあり,集学的治療による予後の改善が期待できる.

索引用語
undifferentiated carcinoma of the esophagus, non-small cell type

日消外会誌 38: 19-24, 2005

別刷請求先
齋藤  心 〒329-0498 栃木県河内郡南河内町大字薬師寺3311-1 自治医科大学消化器・一般外科教室

受理年月日
2004年6月30日

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