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第38巻 第1号 2005年1月 [目次] [全文 ( PDF 623KB)]
症例報告

食道原発癌肉腫の癌腫成分が小細胞癌であった1例

河本 真大, 高島 勉, 仲田 文造, 埜村 真也1), 井上 透1), 山下 好人1), 大平 雅一1), 若狭 研一2), 平川 弘聖1)

大阪社会医療センター外科, 大阪市立大学大学院腫瘍外科1), 同 病理部2)

 患者は54歳の男性で,嚥下時違和感を主訴に当院を受診した.術前診断は中部食道後壁腫瘍で,生検では低分化扁平上皮癌と診断された.右開胸開腹食道亜全摘術を施行した.腫瘍は2型で,2.5×2.0 cm大であった.病理組織学的検査では小細胞癌で食道外膜に浸潤しており,また一部に軟骨肉腫の像も認めた.また,免疫組織学的染色で上皮性マーカーであるCAM 5.2が癌腫と肉腫の移行部で陽性であり,小細胞癌成分から肉腫成分へ分化した可能性が示唆された.術後3週間のlow dose FPによる化学療法を施行後,退院となった.術後15か月現在,再発を認めていない.食道小細胞癌と癌肉腫はどちらも頻度は低いが術前診断が困難で,悪性度が高い疾患である.食道原発の癌肉腫の癌腫成分が小細胞癌であった例は極めて珍しく,ここに報告した.

索引用語
esophageal cancer, carcinosarcoma, small cell carcinoma

日消外会誌 38: 31-35, 2005

別刷請求先
高島  勉 〒557-0004 大阪市西成区萩之茶屋1-3-44 大阪社会医療センター外科

受理年月日
2004年7月28日

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