症例報告
長期生存した再発胃癌の1例
山田 秀久, 森田 高行, 藤田 美芳, 宮坂 祐司, 仙丸 直人, 押切 太郎, 加藤 紘之*
北海道消化器科病院外科, 北海道大学大学院医学研究科腫瘍外科学分野*
症例は63歳の男性で,1994年8月3日胃癌に対して幽門側胃切除術を施行した.総合所見は中分化型腺癌,fT1(SM),N1,H0,P0,M0,fStage IBであった.1996年7月の腹部CTで胃十二指腸吻合部から膵頭部前面にかけて腫瘤を認め,その後徐々に増大傾向を示したが他部位に再発巣を認めず1997年11月6日膵頭十二指腸切除術を施行した.腫瘤は胃十二指腸吻合部から膵頭部にかけて一塊となっており膵との境界は不明瞭で剥離困難であった.病理学的検査で胃癌の局所再発と判定された.再発切除後6年6か月経過した現在,再発徴候なく健在である.本例は再発胃癌に対して膵頭十二指腸切除術を施行し長期生存が得られたまれな症例と考え若干の文献的考察を加え報告した.
索引用語
early gastric cancer, local recurrence, pancreaticoduodenectomy
別刷請求先
山田 秀久 〒065-0041 札幌市東区本町1条1丁目2-10 北海道消化器科病院外科
受理年月日
2004年7月28日
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