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第38巻 第1号 2005年1月 [目次] [全文 ( PDF 1240KB)]
症例報告

健診にて発見された膵solid-pseudopapillary tumorの1男性例―本邦報告男性例の検討―

栗山 直久, 世古口 務, 三枝 庄太郎, 湯浅 浩行, 井戸 政佳, 伊藤 史人, 山碕 芳生, 野田 雅俊

市立伊勢総合病院外科, 同 病理

 症例は45歳の男性で,健診目的に近医受診し,腹部X線検査にて左上腹部に鶏卵状の淡い石灰化を認め,精査加療目的に当院を紹介された.腹部US,CTで膵体部~尾部に著明な石灰化をもつ充実性成分と,直径4 cm大の嚢胞性部分を有する病変を認め,嚢胞部分はMRIでT1強調で高信号,T2強調で低信号を示した.膵嚢胞性腫瘍の診断にて膵体尾部切除術を施行.摘出標本では,膵体部の充実性腫瘤に連続して,膵尾部では出血壊死物質を含む嚢胞性病変で,組織学的には充実成分は比較的よく揃った細胞増殖を認め,一部に偽乳頭状の配列も認められ,コレステロール結晶の沈着,間質での石灰化が極めて高度であった.電顕所見では細胞は多数のミトコンドリアを有し,チモーゲン様の顆粒を少量認め,免疫組織化学染色ではNSE,α1-antitrypsinが陽性であった.よって膵solid-pseudopapillary tumorと診断した.

索引用語
solid pseudopapillary tumor

日消外会誌 38: 86-91, 2005

別刷請求先
栗山 直久 〒516-0014 伊勢市楠部町3038 市立伊勢総合病院外科

受理年月日
2004年6月30日

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