症例報告
大腿ヘルニア内虫垂嵌頓の1例
寺岡 均, 竹内 一浩, 櫻井 克宣, 松永 伸郎, 竹村 哲
馬場記念病院外科
虫垂が大腿裂孔に嵌頓した極めてまれな1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.症例は53歳の女性で右鼠径部の圧痛を伴う腫瘤を主訴に近医受診し,ヘルニア嵌頓の診断にて当院紹介となった.右鼠径部に約5 cm大の有痛性腫瘤を認め,同日大腿ヘルニア嵌頓の診断で緊急手術を施行した.ヘルニア内容は壊死した虫垂であり,ヘルニア根治術および虫垂切除術を施行した.術後経過は良好で第4病日退院となった.イレウス症状を伴わない嵌頓ヘルニアの場合,虫垂嵌頓も考慮すべきであると考えられた.
索引用語
femoral hernia, incarceration of appendix
別刷請求先
寺岡 均 〒592-8555 堺市浜寺船尾町東4-244 馬場記念病院外科
受理年月日
2004年7月28日
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