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第38巻 第2号 2005年2月 [目次] [全文 ( PDF 420KB)]
症例報告

小腸転移による腸閉塞で発症した胃癌の1例

矢島 浩, 楠山 明, 藤田 哲二, 穴澤 貞夫, 矢永 勝彦, 加藤 弘之

東京慈恵会医科大学外科, 同 病理学

 症例は69歳の男性で,腸閉塞の診断にて入院となった.イレウス管造影および腹部CT検査を施行したが,明らかな病変は指摘できなかった.上部消化管内視鏡検査では胃上部に3型胃癌を認めた.腹部手術の既往はなく,腸閉塞の原因は不明であった.開腹所見では胃病変の他に回腸に腫瘤を認め,これが腸閉塞の原因と考えられ,胃全摘術に加えて回腸部分切除術を施行した.切除標本では回腸の狭窄部分に一致して全周性の隆起潰瘍型病変があり,病理組織学的検査では組織型は胃癌と酷似していた.癌細胞の主座は腸管壁内で,胃癌からの遠隔転移と考えられた.

索引用語
small bowel metastasis, gastric cancer, intestinal obstruction

日消外会誌 38: 147-150, 2005

別刷請求先
矢島  浩 〒201-8601 狛江市和泉本町4-11-1 東京慈恵会医科大学第三病院外科

受理年月日
2004年9月22日

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