小網原発gastrointestinal stromal tumorの1例

森本　光昭^1）, 辻　義明^1）, 原　靖^1）, 古閑　敦彦^1）, 牛島　正貴^1）, 田口　順^2）, 吉村　文博^3）

福岡県立消化器医療センター朝倉病院外科^1）, 同　病理科^2）, 済生会日田病院外科^3）

　患者は68歳の女性で，主訴は腹部腫瘤．身体所見では左側腹部に弾性硬，可動性良好な約15 cm大の腫瘤を認めた．腹部CT所見では胃小彎側前壁に接して11.5×9.0 cmの腫瘍を認めた．手術所見では腫瘍は約15 cm大，胃体中部小彎側に一部癒着し胃体部前壁に騎乗していた．腫瘍および胃部分切除を行い，腫瘍は完全切除された．摘出標本では腫瘍は13.5×10.0×9.0 cm 凹凸不整，弾性硬で，大部分は出血壊死を伴う嚢胞性腫瘍であった．病理所見では紡錘形腫瘍細胞が密に錯綜して増殖していた．免疫組織染色にてKIT（CD117），CD34，Vimentinが陽性，Desmin，S-100 proteinが陰性のためGISTと診断した．術後1年たった現在，再発の兆候はない．

索引用語
gastrointestinal stromal tumor (GIST), lesser omentum

別刷請求先
森本　光昭　〒838-0069　甘木市来春422　福岡県立消化器医療センター朝倉病院外科

受理年月日
2004年9月22日

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