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第38巻 第2号 2005年2月 [目次] [全文 ( PDF 632KB)]
症例報告

限局性蜂窩織炎性上部空腸炎の1例

中村 泰啓, 高橋 節, 西村 興亜, 庄盛 浩平

公立社総合病院外科, 鳥取大学器官病理学

 症例は肝疾患の既往がない73歳の女性で,腹痛,嘔吐を主訴に当院を受診した.腹部CTで小腸の限局性浮腫を認め,腹部所見などより汎発性腹膜炎と診断し,緊急開腹手術を行った.Treitz靭帯より肛門側へ約50 cmの上部空腸が約12 cmにわたり暗赤色に発赤し,著明に腫大していた.漿膜面には膿苔の付着を認め,混濁した腹水も認められたが,明らかな穿孔や穿通部などは認められなかった.切除標本では粘膜は浮腫状ではあるものの全体にきれいで,数か所に直径約2 mm程度の小さいびらんが認められるのみであった.なお,アニサキス,魚骨,薬物などの異物は認められなかった.病理組織検査では粘膜層はよく保たれているが,粘膜下層が著明に肥厚し,同部にび慢性に好中球の浸潤が認められた.グラム染色では粘膜下層にグラム陽性球菌が多数認められ,何らかの原因で粘膜に小びらんが形成され,同部からの細菌侵入により,局所の急激な蜂窩織炎を来たしたものと考えられた.

索引用語
phlegmonous enteritis, upperjejunum

日消外会誌 38: 220-224, 2005

別刷請求先
中村 泰啓 〒673-1451 兵庫県加東郡社町家原85 公立社総合病院外科

受理年月日
2004年9月22日

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