原著
CTによる大腸癌術後intensive follow upの意義
山田 六平, 赤池 信, 塩澤 学, 佐伯 博行, 杉政 征夫, 武宮 省治, 本橋 久彦, 今田 敏夫*
神奈川県立がんセンター消化器外科, 横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター*
はじめに:大腸癌根治手術後の早期再発発見を目的としたintensive follow up法の妥当性を検討した.対象および方法:1986~2001年までの大腸癌根治度A症例のうち単発再発を認めた126例を対象とした.4か月に1回のCTにより再発を発見された症例をintensive群(以下,I群,n=66),1年に1回のCTにより再発を発見された症例をconventional群(以下,C群,n=60)に分類し,生存期間(ST),無再発期間(DFI),再発後生存日数(SAR)をretrospectiveに検討した.結果:DFIはI群が467日,C群が690日で有意差を認めたがSARはそれぞれ943日,767日であり有意差はなかった.また臓器別に検討すると肺再発のSARはI群で1,296日,C群で925日であり有意差はないものの改善される傾向を認めた.考察:CTによる大腸癌術後intensive follow upは再発後生存日数の向上には寄与しなかった.しかし腫瘍マーカー,問診でスクリーニングが困難な肺再発においては再発後生存日数が向上する可能性が示唆された.
索引用語
colorectal cancer, intensive follow-up, conventional follow-up, survival time after recurrence, recurrent pattern
別刷請求先
山田 六平 232-0024 横浜市南区浦舟町4-57 横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター消化器病センター
受理年月日
2004年10月19日
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